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水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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モーツアルトが大好き

眠るには惜しい春の夜には、ひとりでモーツアルトもいいものです。

特にモーツアルトのピアノ曲はとても美しい。

モーツアルトに聴き入っていたころ、どの曲が美しいか

1年ほどかけてすべての曲を聴き比べたことがあった。

その結果発見した、モーツアルトのピアノ曲の中でも

選りすぐりの曲を紹介しましょう。

きっかけは、下記の名著との古本屋での出会い。

その本にさまざまに表現された曲を

自分の耳で確かめたくなったからだった。


そんなモーツアルトを語る名著とは


井上太郎の名書「モーツアルトのいる部屋」新潮社刊と 

イギリスのモーツアルト研究家エリック・ブロムの「モーツアルト」、泰明社刊

下記はそれらの名文を参考にしながらまとめたもの。 

これらの名文を読むと、聴いてみたくなるはずです。

毎日、FMからダビングしたり、日比谷図書館のCDライブラリー

から探したり、とにかく夢中になって聴き入った時期がありました。


演奏者は、たまたま僕がもっていたテープの演奏者です。


★★ ,★ 、☆ 印が順に特に秀逸といえる個人的に好きだった作品。


さて、みなさんの意見は同じでしょうか。


個性的な寸評やモーツアルトにまつわる思い出を投稿くだされば幸い至極。


さて僕が モーツアルトのピアノ協奏曲から選んでみたとっておきの曲とは

ケッヘル番号順に語りましょう。
         

★★ピアノ協奏曲 第 9番変ロ長調 K271 アシュケナージ  第2楽章
         
   「モーツアルトの不思議な表現は単なる音楽の楽しみの為のものと

   いう考えを改めさせるモーツアルトの21才の曲。

   個性豊かなモーツアルトの真の協奏曲の始まりといえる。」

   優雅で洗練された曲。特に第2楽章が美しい。

☆ ピアノ協奏曲 第14番変ホ長調 K449

  「 あまり注目されていないが、暗い暗雲のたちこめる不安定な美しさと哀愁に満ちた曲。」

☆ ピアノ協奏曲 第15番変ロ長調 K450

   どこかに涙をさそうものを秘めている。

★★ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466 マリアテーポ


   「やがてやってくるシュトルムウントドランク(疾風怒濤)のロマン派時代を予感し、

   モーツアルトがロマン派以前に未来を予知した作曲家であったことを示す作品。」

   「激しい様式を先取りした悲哀と憂愁、それに第2主題の輝くような幸福感が交錯する。」


★ ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K467

  「美しいピチカートの第2楽章。短調と長調とが交錯する第3楽章。」

  映画「短くも美しく燃え」のテーマとなった。

  「寂しさを底に秘めた明るさ、明るさの底に秘めた寂しさがある。」

 この言葉が一番好きだった。とても素敵な表現。

 ”冷たい水の中の小さな太陽 ”はアポリネールの詩の言葉

 水溜りに映って輝いている太陽、しかし手を触れるとひんやりと冷たい。

 人生とはそんなもの。そんな想いに似通っています。

 


★★ピアノ協奏曲 第22番変ホ長調 K482


  「荘厳な響きの管と弦が優しくピアノを伴奏する。

  奇跡のようなハーモニーのハ短調の第2楽章がとても美しい。」

★★ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K488 マリアテーポ

  「ピアノの華やかな技巧と甘美なクラリネット。太陽のような明るさの第1、3楽章。

  「嬰ヘ短調の第2楽章は、最も哀調にみちた感情表現のひとつ。

  「モーツアルトが最も楽天的な時でさえ、決して純真な幸福を歌う作曲家ではなかったことを示す作品。」


★★ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K491 内田光子

  「モーツアルト30才。笑いに満ちたフィガロの作曲の5週間前この曲を作曲。

  モーツアルトはこの悲劇的な曲と喜劇的オペラとの間を全く自在に往復していた。」

★★ピアノ協奏曲 第27番変ロ長調 K595
         

  「モーツアルトにとって最後の年である1971年の1月に完成したピアノ協奏曲。

  告別の作品にふさわしい不吉な予感と不思議な哀愁にみちた緊張感。」


次に、モーツアルトの珠玉の小品ピアノソナタを紹介しましょう。

ヴァイオリンソナタを含んでいます。

★K304 ヴァイオリンソナタ ホ短調 第28番 ヘブラー
         
  「モーツアルトが短調を選んだ時は、はっとさせる激しく個性的な何かを生み出す。

  モーツアルトのヴァイオリンソナタの主役はピアノ。

  ヴァイオリンはいわば、それと美しい会話を奏でる恋人。

  展開部の第1主題、憂いをおびた優雅な第2主題。

  特に第2楽章のメヌエットは涙を誘う美しさがある。」

  こんなに書かれると、聴いてみないと死に切れない。

  聴くまではいてもたってもおれなくなって、CDショップを探し回ったものです。


★K379 ヴァイオリンソナタ ト長調 第35番 ト長調  ヘブラー

  「 第1楽章はアレグロ、ト短調の前のト長調のアダージョの気品のあるたたずまい。

   優雅な光の中に凛然とした音がまじっている。

   特に、後半同一主題の5つの変奏曲は美しい。」

☆K395 幻想曲ニ短調
         
   「ゆっくりと不安に満ちた鼓動。

   この世のものとおもえぬモーツアルトの美しい旋律。」

☆K397 幻想曲ニ短調 

   「短いが洗練された曲。」

★K511 ロンド     内田光子
         
  「技巧と詩情がひとつにとけあい夢のような不思議な効果を生み出している作品。」


 さまざまな演奏がありますが、僕が好きなのはアリシア・デ・ラローチャ。

 髪を振り乱して般若のような様相で演奏する内田光子さんも

 ファンが多いようですが、アリシア・デ・ラローチャの演奏が僕は好きです。


 必死に悲しみをこらえているのに・・・・、

 涙がひとすじ目に光っているような

 そんな風情を感じます。


ところで、モーツアルトの曲の中でもっとも好きな曲は、

ピアノ曲よりも、心に染み入る弦楽四重奏の室内曲。

弦楽四重奏曲15番 第4楽章!

心のひだをビロードでくすぐるような不思議な陶酔感にひたれます。

アルパンベルグのゲルマン的「えぐい」演奏より、

第一バイオリンがローマ帝国の子孫のせいか、

東京カルテットの方が柔らかく美しい。


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